【新型コロナウイルスの感染拡大を受けての岩場でのクライミングの再検討のお願い】

クライマー各位

新型コロナウイルスの感染拡大は深刻度を増し、ついに日本でも新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が出され、4月7日から5月6日までの間、 特に感染者の多い 7 都府県で「緊急事態措置」が始まりました。また、 この7都府県以外の地域でも日ごとに感染者は増し、コロナ禍は全国規模で広がりを見せています。

このような状況の下、外出自粛要請のためクライミング業界、アウトドア業界も大きな影響を受けています。多くのクライミングジムなどや関連企業が休業を余儀なくされ、大変な状況にある事業者も多いことと思います。政府が具体的な補償策を打ち出さないなか、市民の生命と健康を守るため、このような英断に出られたことに敬意を表します。


●クライミング界における問題

クライミング界では、ここでさらに大きな問題が生じつつあります。 外出自粛要請によりクライミングジムなどが休業になったことから、登る場を失ったクライマーたちが、アウトドアの岩場(外岩)に平日から押し寄せ、岩場付近の駐車スペースや登山口などに他県ナンバーの車が目立つようになっているという事実です。 クライミングがオリンピック種目となり、その認知度がかなり高まってきていますが、 実際のクライミングは冒険的行為であり、一歩間違えば、誰もがけがや、場合によっては簡単に命を落とすこともあるのは、クライマー自身がよくご存知かと思います。いま、感染拡大防止に協力していくことはもちろん、この時期に切迫した医療機関に余計な負担をかけることは何としても避けなくてはいけません。

そして、日本の多くの岩場ではアクセス問題がクリアになっていません。また、 ふだんはウェルカムな地域であっても、多くの方が感染防止に努力されているこのタイミングでは、違う感情を抱かれることもあることは想像に難くありません。ましてや、移動の制限も求められる「緊急事態措置」が取られている地域や、感染者が多いとされる地域から来たナンバーを付けた車を見た地元の方はどう思われるでしょう? 岩場使用の許可を得るために、地元と長年交渉 を続けてきたローカルクライマーのコミュニティはどう感じるでしょう?

クライミングは本来自由な行為ですし、カウンターカルチャー的な側面もあり、そういったところに魅力を感じているクライマーも多いでしょう。主義や主張、スタイルもいろいろあって然るべきなのがクライミングです。しかし、それらは「平時」であればこそ追及できることではないでしょうか。


●岩場を守るために今クライマーにできること

人々の生命と健康を守るために、そしてクライミングの社会性や文化を守るため、地域とのつながりを大切にするため、このコロナ禍が去ったあとも岩場を気持ちよく登らせてもらうため、

NPO法人日本フリークライミング協会は、クライマー諸氏に対して以下の行動を伴う岩場でのクライミングを今一度再検討いただくようお願いいたします。

・遠方からの来訪自体が地域社会に不安を与えてしまうような行動

・アプローチを含め3密(密閉・密集・密接)が発生するような行動

・医療リソースをひっ迫させてしまうことが容易に想定できるような行動


何卒、ご理解とご協力をお願いいたします。


今回は、クライマー全体の社会性が問われている事態です。

仮に、感染が拡大していない、登攀に影響がないと思われるエリアであっても、アクセス途中を含めた地域全体の気持ちや、クライマーが集中する可能性等の影響も考慮し、各自の行動や情報の取り扱いには十分ご注意ください。海外ではハイキング中にケガをして救急搬送された人がコロナ陽性とわかり、救助隊員やヘリパイロット、搬送された先の病院スタッフが全員2週間の隔離となり、救助隊や医療機関の機能を著しく低下させ、その結果、すべての国立公園が閉鎖されるという事態になった国もあります。


今、クライマー各自が、自分たちの岩場の未来を考えることが、何より大切なことだと考えます。


期間は緊急事態宣言の期間中である2020年4月10日から5月6日と考えています。 また、お願いの期間については、感染拡大・収束状況、社会情勢をみて再度延長を提案する場合があります。


皆様のご賛同とご協力を重ねてよろしくお願い申し上げます。


NPO法人日本フリークライミング協会環境委員会





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