当大阪府山岳連盟顧問青山千彰先生が基調講演を行う「安全登山のための登山道を考える-減遭難問題と登山道法について-」のシンポジウムが開催されますのでご案内いたします。
<開催趣旨>
安全登山を考える上で、「登山道問題」は最重要課題であるが、広大な山域における様々な地権問題、整備・管理問題を抱えているため、取り組みが難しい研究領域である。
加えて、利用する登山者の能力と登山道とのリスク関係も、地形的特徴に伴う難易度判定が複雑なため、十分な研究がなされていないのが現状である。
登山道問題の研究は、幅広く5領域に分けられる。
① 登山道の法的解釈と整備・管理問題
② 登山道のグレーディング
③ 登山道上で発生する事故のメカニズム
④ 登山道での遭難事故数を減らす減遭難活動
⑤ 登山道周辺域の自然保護問題の研究、がある。
これらの研究において、①の登山道のあり方については、登山道法研究会が中心に大きな成果を出している。
②のグレーディングについては10県1山域に広がり、登山道の難易度を表す手法として定着した。
また、③の登山道で発生する転倒・滑落事故の特徴とその対策は、事故の予防に有効なトレーニング法を提案している。
最後に、④登山道上での事故の発生を量的に減らす減遭難運動も日本山岳・スポーツクライミング協会JMSCAを中心に全国的な運動を展開していることから、4領域が当シンポジウムの中心課題になり得ると判断した。
なお、⑤の登山道周辺域の自然保護に関しては、研究領域が広いため、当シンポジウムでは取り扱わないこととした。
<開催概要>
- 日 時:2024年9月7日(土)、13:00~17:00(受付12:30~)
- 場 所:東京 日本勤労者山岳連盟 事務所1階会議室
- 開催形式:ハイブリッド(対面、Zoom併用)
- プログラム:
- 基調講演
青山千彰 安全登山から見た登山道問題の概観 - 第1部 登山道のあり方、登山道法
勝俣 隆 日米トレイル比較論〜アメリカのハイキング・トレイルに見られる特徴
久保田賢次 登山道法研究会の現状と課題
溝手康史 登山道の管理責任と登山道の形態 - 第2部 登山道のグレーディング
杉田浩康 登山道のグレーディングの現状と課題 - 第3部 登山道における減遭難活動
齊藤篤司 中高年登山者の安全登山と山の歩き方(仮題)
中川和道 登山道下山中の事故分析と転倒滑落停止研究会の活動
大杖哲司 転倒事故防止と登山寿命延伸をめざす筋力トレーニングの効果
- 基調講演
- 参加申込:日本山岳SAR研究機構(IMSARJ)サイトよりお申込みください。
- 最終期限:9月6日
- 募集人員:会場50名、ZOOM70名(容量制限のため打ち切ることがあります)
- 予稿集:講演予稿集はPDFファイルで作成し電子ファイルにて無料で事前配布します。
- 冊子体をご希望の方は、会場にて1冊500円で販売いたします。