今般奈良県川上村において登山者のマナーを発端にした問題が発生し、シェークスピア氷柱群へ通じる私有地へ立ち入らないよう、ワサビ谷環境管理組合より周知徹底の要請が届いています。
大阪府山岳連盟が加盟する「大台ケ原の利用に関する協議会(※)」でも問題視され、私達もその要請に賛同します。
以下、ワサビ谷環境管理組合 組合長 安田芳裕様からの要請文を掲載しますのでご一読の上ご理解、ご協力をお願いいたします。
自然保護委員長 田中昭男
(※)「大台ケ原の利用に関する協議会」とは、西大台ケ原利用調整地区の自然環境保全と山岳・観光利用促進の調整を図り、持続可能な利用促進を目的として、環境省、国交省、林野庁、奈良県、上北山等自治体関係、NPO団体、山岳団体等で構成される会議体です。
大阪府山岳連盟では、登山活動の普及とともに遭難対策や自然保護にも取り組んでおり、「大台ケ原の利用に関する協議会」にも加盟し、関係団体と連携を図りながら自然保護に務めています。
一般社団法人 大阪府山岳連盟 会員各位
ワサビ谷環境管理組合は、現在のところこの地域の土地管理者に加え、私たち地元を中心とした複数のアウトドアガイド団体が構成員となり運営されています。(*ワサビ谷には複数の地権者がおり、それを管理している方を土地管理者と呼んでおります。)
本年2月1日から、奈良県川上村にあるシェークスピア氷柱群への登山道に無許可での通行禁止の新たな看板を設置致しましたので、皆様への周知を宜しくお願い申し上げます。
以下経緯説明になりますのでご確認ください。
1980年頃から土地管理者の運営するワサビ農園で、葉ワサビの栽培が行われていました。当時、このワサビ農園を保護する目的で、農園入口に立ち入り禁止の看板やゲートが設置されていました。
しかしながら、以前からアイスクライミング等を目的とする登山者が無断で通行する状況が続いていたそうです。葉ワサビの栽培は獣害や盗難の影響で2000年には終了していますが、立ち入り禁止の看板はそのままで、無断通行はしないでほしいという意思に変わりはなかったと伺っております。
我々地元ガイドはこのコースでガイドツアーを開催するにあたり、2015年に土地管理者に通行の許可を打診しました。基本的に立ち入りはして欲しくない場所との事でしたが、地域での活動を応援する意味もあり特別に許可を頂きました。そして危険箇所の迂回路を整備する許可も頂きました。その過程において、老築化して分かりにくい立ち入り禁止の看板を新しくしました。
その後、氷瀑見学を目的とした登山者の数はネットでの情報等で増え続け、ついに本年は路上駐車がバス停を埋めつくし、さらに国道にはみ出すように置かれるぐらい溢れるようになりました。駐車ポイントはトンネルを出てすぐのカーブという危険箇所でもあり、接触事故も起こりました。
また私有地内でトイレのゴミが散見される事もありました。
さらには気軽な装備や知識で立ち入る人も増え、遭難者が出るという最悪の事態が起こってしまいました。
このような状況を至急終息させるために、以前から許可を頂いていた団体を中心にワサビ谷環境管理組合を結成し、新たな看板とロープでのゲートを設置しました。
現在、立ち入り許可を申請する方法についてお問い合わせを複数いただいております。
この件については、もし方法等が決まればワサビ谷環境管理組合のサイトで掲載する予定ですが、方向性もまだ決まっておりません。
まずはさらなる事故やトラブル防止のため、無断立ち入りをする人が居なくなるようにする事を優先します。また今後雪融けがすすめば、山が荒れていないかの確認も必要です。
関西を代表する貴重な自然を守るため、皆様のご協力を宜しくお願い致します。
どうか今しばらく見守っていただけますようお願い申し上げます。
大変申し訳ございませんが、問い合わせについては混乱を避けるためメールのみとさせていただいておりますのでご了承ください。
2022年2月24日
ワサビ谷環境管理組合 組合長
安田 芳裕
連絡先:wasabidani.kankyo@gmail.com
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